カメラが赤外線で紫がかった色になる - ThinkPad
カメラが赤外線で紫がかった色になる - ThinkPad
カメラが赤外線で紫がかった色になる - ThinkPad
症状
ハイブリッド・カメラが搭載されたコンピューターやモニターでは、特定の明かりの条件で色が淡く表示されます。すべての素材がこの色合いの影響を同じように受ける訳ではありませんが、 ユーザーの髪や服の色など画像の一部が、実際の肌や背景と大きく異なる色になることがあります。
図 1: 天井のファンの実際の色 vs. ハイブリッド・カメラの紫がかった色
対象機種
ThinkPad
- L390
- L390 Yoga
- L490
- L590
- T490
- T490s
- T590
- T590s
- X1 Carbon 7th Gen
- X1 Yoga 4th Gen
関係するシステム構成
RGB/IR ハイブリッド・カメラ
オペレーティングシステム
Microsoft Windows 10
制限事項
この紫がかった色合いはハイブリッド RGB/IR カメラ規格の制限です。明かりの環境条件を改善する対策、カメラを調整する回避策、なぜこの色合いが発生するかの詳細な情報を参照してください。
対策
赤外線の色合いは、カメラが色彩を調整する際に負荷が掛かることで発生します。防止するには2つの方法があります。
赤外線の光源環境を抑える
標準的な赤外線の光源を避けるには
- 日没の日差し
- 日の出の日差し
- 炎
- 高赤外線電球:
タングステン・フィラメント (白熱電球)
ハロゲン
キセノン/ 水銀キセノン
備え付けの白熱電球、およびその他の高赤外線電球をLEDなどの低赤外線 電球や蛍光灯に交換することで、人口的な赤外線光源を減少させます。自然な赤外線光源はカーテンを閉めたり、室内の明かりを暗くするなどの対策によって回避できます。
標準的な低赤外線電球で代用
- LED
- 蛍光灯
- コンパクト蛍光灯 (CFL)
存在する赤外線光源をフィルターにかける
既存の光源もフィルターにかけて、可視光が通過する際に赤外線成分をブロックできます。これは赤外線反射窓フィルムや赤外線ハロゲンなどの赤外線反射コーティングされた電球を使用することで可能です。
回避策
ハイブリッド・カメラが必要だが、赤外線の光が改善できない状況では、カメラの自動白色バランス (AWB)を再調整して画像の色彩結果を修正するのが便利です。これはAWB RGB Gain Control Application を使用して実施できます。参照: https://download.lenovo.com/km/media/attachment/AWBRGBGainCtrl_v1.17.zip
このアプリは、システムのホワイトバランスを管理するため、カメラドライバーの更新が必要です。Lenovo Vantageなどのその他のアップデートツールと同様にサポートサイトの製品のダウンロードページから入手できます。このバージョンは Readme コンテンツ (例: X1 Yoga 4th Gen readme では 10.0.19041.20180/10.13.19041.13)から識別できます。
[新機能/拡張機能] - AWBRGBGainCtrl ツールを使ってRealtek ドライバーを最新のバージョンにアップデートします。
カメラドライバーがインストールされると、AWBRGBGainCtrl が以下の方法で使用されます。
- AWBRGBGainCtrl.exe アプリを実行します。
- これは、スケジュールされたタスクをWindows自動的に追加して、アプリがスタートアップを起動します。その後、アプリの GUI がロードします。
- AWBRGBGainCtrl.exe -autoを実行します。
- これは、スケジュールされたタスクを作成せずに、アプリを最小化してシステムトレイにロードします。 これは手動でコントロールを起動したいユーザーに推奨されます。
- GUIによるカメラの調整
- AWBRGBGainCtrl GUI は、3つ目のカスタムモードと同様に 2 つのプリセットモード (デフォルトと 白熱灯)の切り替えを可能にします。「 Expand(拡張)」ボタンを使用すると、スライダーが「Incandescent(白熱灯)」と「Custom (カスタム)」モードの編集にアクセスできるようになり、環境に適した明るさにできます。デフォルトでは「 Incandescent」モードがスタートアップでロードされます。これは AWBRGBGainCtrl.ini ファイルの編集によって変更可能です。
- システムトレイによるカメラの調整
- AWBRGBGainCtrl は、最小化されるとシステムトレイのアイコンとして実行します。これは、スケジュールされたタスク (参照 #1)および -自動 スタート (参照 #2)で使用されるデフォルトモードです。 システムトレイのアイコンとして GUI アプリが起動し、モードをすばやく変更したり、アプリを完全に終了できます。
AWB RGB Gain Control アプリのシステムトレイ・アイコンと右クリックメニュー
その他の情報
ハイブリッド・カメラとは?
従来のほとんどのWebカメラは RGB カメラです。つまり赤色、緑色、青色ピクセルの組み合わせで明かりを検出します。セキュリティカメラや夜光デバイスなど、その他一部のカメラ製品では、赤外線 (IR) カメラの代わりに使用されることがあります。これは人の目では見えないより低い周波数を検出するカメラです。
Windows Helloは、明るさや、メイクなど様々な条件下で正しくユーザーの顔を検出するために赤外線カメラが必要です。Windows Helloについての詳細と赤外線撮像の仕様については URL: https://docs.microsoft.com/en-us/windows-hardware/design/device-experiences/windows-hello-face-authentication
図 2: RGB (左)および 赤外線 (右)で撮影したカメラの画像。 赤外線画像は異なる明かりの条件でも一貫性がある
これらの機能を同時に提供するために、従来のカメラを使用するRGBイメージングと顔認識の赤外線撮像でを組み合わせた「ハイブリッド・カメラ」の明かりセンサーは、両方のカメラ技術を一つのデバイスにまとめた、いわゆる RGBと赤外線のハイブリッド・カメラです。
図 3: 赤色、緑色、青色のサブピクセルのRGB カメラ (左) と 赤外線サブピクセルを追加したハイブリッド・カメラ (右)の比較
なぜ赤外線はティント(色合いの違い)を引き起こすのか
赤外線とRGB センサーが一つのカメラに統合されたため、赤外線の光はRGB ピクセルによって検出され、間違った色や「ティント」の作成が起こります。カメラのアルゴリズムは、通常この色のシフトで修正されますが、高赤外線ライトの条件下では一部のティントが残り、正しくない色彩の画像を作り出します。
カメラの設計と色の修正に応じて、このティントは異なる色彩や模様で現れますが、ほとんどは紫色か緑色です。
図 4: 異なる色彩修正アルゴリズムから赤外線のティントが残る
ハイブリッド・カメラの識別方法
ハイブリッド・カメラは2つの方法を同時に使って識別します。Windowsのデバイスマネージャーメニューにあるシステム・デバイスとデバイスのカメラの目視検査です。
デバイスマネージャーでは、RGB カメラ製品は Integrated Camera、または「カメラ」カテゴリー配下に同様のデバイスのみがあり、Integrated 赤外線 カメラは存在しません。ハイブリッド・カメラは、「カメラ 」カテゴリーに Integrated Camera と Integrated IR Camera デバイスの両方を表示します。 一部の製品には別途カメラがあり、 IRが1台、RGBが1台です。これらもデバイスマネージャーに両方のカメラデバイスを表示します。この設計フォームのハイブリッドカメラを区別するにはカメラの目視検査が必要です。
視覚的には、ハイブリッド・カメラ製品には、1つのカメラレンズと 1つの IR LED (計2穴)があります。 RGB+IR マルチカメラ製品には、 2つのカメラレンズと 2つの IR LED (計4穴)があります。 RGB カメラ製品には、 1つのカメラレンズとがあり、IR LEDはありません (計1穴)。
関連リンク
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